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   字音 じおん
   

日本語の漢字は、まず、音読みと訓読みに分けられます。

訓読みは、漢字が表す意味を日本語と関連づけるための翻訳的な読み方です。仏の字をほとけと読めば訓読み、ブツと読めば音読みです。

音読みは、中国語を起源とする読み方で、呉音ごおん漢音かんおん唐音とうおんなどと呼ばれる読み方があります。

このうち漢音は正音とも呼ばれ、中国語との発音の対応が規則的で良くできている、と言われています。

僧侶も正音で学ぶように、と勅令が出たこともあります。しかし、すでに普及したお経の読み方は、そう簡単には変わりませんでした。

 

   呉音と漢音
   

呉音は一番古く、長い時間をかけ、少しずつ導入されたので、中国語との発音の対応があまり規則的でない、と言われています。しかし、歴史がある分、呉音で読むものが多くあります。

お経や仏教語の読みは、ほとんどこの呉音です。利益をリエキと読むのは漢音、呉音ではリヤクと読みます。仏様からいただくのはリヤクです。 

食堂をショクドウと読むのは漢音、呉音はジキドウです。お寺の施設はジキドウです。

漢音で読まれるお経は少なく、よく知られたところでは、天台宗で使う阿弥陀経や真言宗で使う理趣経りしゅきょうです。

阿弥陀経は呉音でアミダキョウ、漢音ではアビタケイと読みます。数字のイチ、ニイ、サン、シイ、ゴウ、ロク、シチ、ハチ、ク、ジュウは呉音、漢音ではイツ、ジ、サン、シ、ゴ、リク、シツ、ハツ、キュウ、シュウとなります。

 

   唐音 とうおん
   

鎌倉時代になると、臨済宗や曹洞宗の僧侶によって、再度、中国語の読み方が日本へ伝えられました。これが唐音です。

唐音では、南無阿弥陀仏はナムオミトフ、

摩訶般若波羅蜜多心経はポゼポロミトシンキン、

観自在菩薩。行深般若波羅蜜多時。照見五蘊皆空。度一切苦厄。舎利子。色不異空。空不異色。色即是空空即是色。は
カンツザイプサ。ヘンシンポゼポロミトス。チャウケンウインキャイクン。トイチェクエ。セリツ。スェプイクン。クンプイスェ。スェチスクンクンチススェ。と耳慣れた心経とはまったく別物に聞こえます。

唐音は、和尚おしょう行脚あんぎゃ看経かんきん庫裏くり法堂はっとう東司とうす吊灯ちょうちんのように、多くは単語の形で導入されました。


呉音 5・6世紀(日本の古墳時代から飛鳥時代)に長江の下流域つまり揚子流域より伝わった中国南方方言。朝鮮半島(高句麗・百済・新羅)を経由して伝わったという説もある。

  呉音の呉は、三国時代に揚子江流域に建国された呉(222年 - 280年)ではなく、上海の西の地域蘇州の古称である呉州(現在の蘇州市)から伝わったと考えられる。

 

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