IRIS
入港書類の作成も終わったし、明日の午後にはフランス領ニューカレドニアの首都ヌーメアに入港する。午後のワッチに入っていると操機手の○○さんが無線室にやって来た。機関部の人はエンジニアーは食堂が同じなので顔を合わすが部員の人は食堂が違うので滅多に顔を合わす事はない。次席さん、私のとこに電報が来ていませんかね? 今のところ来ていませんが、どうしましたか? 奥さんが出産予定で昨日が予定日とのことだ、もう少しで長崎無線局/JOSの一括呼び出しがありますから、たまにはお茶でも飲んでちょっと待ってください、、... 続きを読む

笠戸造船を出たニッケル鉱専用船 佐賀関丸/JKST 総トン数12,094トン 重量トン数19,698トン(写真)は順調な航海を続け9日目に赤道を通過した。船内時間の夜中の12時、日本より1時間半ほど進んでいる、オートアラーム(警急自動受信機)のテストを行いログブック(業務日誌)に Tested Auto Alarm in good condition and them commenced watch on auto alarm at ○○○○gmt  と記入してワ... 続きを読む
山口県の笠戸島のドッグに入渠して8日目の朝、本船はドッグを出て、作業員が乗船して試運転が始まった。1時間ほどかけて全てが完了し、作業員が下船して南太平洋のニューカレドニアの首都ヌーメアに向かい12日間の航海が始まった。周防灘から豊予海峡を抜け日向灘に入った。間もなく水の子灯台を通過して日本の島影が見えなくなった、赤道を通過して暫くまで陸は見えない、海、海、海だね、、、出港した日の昼は大体カレーだ、カレーを食べて無線室に行くと通信長が、次席さん、銚子と長崎にTRを入れておいてね! ワッチを変わり... 続きを読む
ドッグに入渠中は航海中は出来ないアンテナの点検手入れ、レーダーマストに昇りスキャナーなどの点検を行うが乾ドッグに入っている本船のレーダーマストに昇ると足がすくむ。ドッグに入渠中に無線局の定期検査があるため業者が来て無線機の調整などをしている。こちらは法定備品、法定書類などのチェックをする、試験官から検査簿に合格の判をもらうまでは気を抜けない。検査当日、本社から来た工務監督が郵政省中国電波監理局(現総務省中国電気通信局)の技官と事務官の試験官二人を迎えに行き本船の無線室に案内してきた。事務官が、... 続きを読む
ドッグに入渠中は夜はやることが無く暇をもてあます、ドッグハウスで早い夕食を済ませるとドッグの自転車を借りて少し離れたところにある居酒屋に出かける、ドッグの近くの居酒屋は家族が来ていない船の乗組員が行くので避ける、、ある時にお店のママさんが、お客さんは長男ですか? と聞いてきた。いやー、俺は男4人女2人、6人兄弟の下から2番目で4男ですよ、、すると、じゃ家を継がないでいいのね! 私とちょうど1廻り違う長男の兄が継いでいますよ、すると、お客さんお見合いをする気はないですか? いやー、俺は未だ25歳... 続きを読む
佐賀関での荷役作業が終わり4日目の朝、本船は佐賀関製錬所の岸壁を静かに離れ、笠戸船渠がある山口県下松市の笠戸島(写真)に向かった。別府湾を横切り左舷に国東半島を眺めながら周防灘を北上し、瀬戸内海の島々が点在する絶景を眺めながら笠戸島の沖に到着するとドッグの関係者、作業員数名が乗船してきた。2隻のタグボートに曳かれてそのままドライドッグに入った。入口が閉じられ海水が排出され、みるみる海水が無くなり本船は完全に船台に座ってしまった。本船にタラップがかけられ作業員などが大勢乗船して打ち合わせなどが始... 続きを読む
昼過ぎに佐賀関に入港予定だ、いつもは10時から11時頃に起きるんだが入港前は一応目覚ましをセットするんだが早く目が覚めるね。着替えてさっそくブリッジ(船橋)に行ってみる、サードオフィサー(3等航海士)水の子灯台は過ぎましたか?訊ねると、いや、間もなくですよ!レーダーを覗くと豊後水道にくっきりと灯台の影が映っている。暫くすると船首方向に水の子灯台(写真)が見えてきた、右舷の前方に四国の山々も見えてきた。約1か月ぶりに見る日本の島影だ、左舷に九州(大分県)の島影も見えてきた。行き交う船も多くなって... 続きを読む

佐賀関丸、非常訓練



赤道を通過して2日目、昼食を食べて午後のワッチ(当直)に入ると間もなくクオターマスター(操舵手)が Noon Position (正午の位置)を記入したノートを持ってきてくれる。ログブック(業務日誌)に記入してブリッジ(船橋)に持っていくとセコンドオフィサー(2等航海士)が、次席さん、今日あたり白波も立っているしやりそうですね! と言う。本船のキャプテンは復航時、赤道を通過して5日以内に必ず非常訓練をやる、しかもだ、多少時化ている時に予告なしにやる、キャプテン曰く、凪の時に予告して... 続きを読む


ニッケル鉱を満載した本船はニューカレドニアの積み地を出港し佐賀関に向かった。停泊中は無線機器、レーダー、などの整備点検で結構忙しかった、佐賀関にて荷役が終了後、山口県下松市の笠戸ドッグに入渠予定で、不良個所などを修理する関係で点検する必要があるわけだ。停泊中の夜は毎日、通信長の部屋で高級コニャックのマルテル、レミーマルタンで一杯だ、通信長のフィリップスのレコードプレイヤーでお気に入りの藤 圭子のレコードを聞くのが定番だ。船乗りはやっぱり航海中が一番落ち着くね、無線部はローカルタイム... 続きを読む
ニューカレドニアの首都ヌーメアに朝方入港し直ぐに入港手続きが始まり1時間ほどで手続が終了し、直ぐに積み地に向け出港した。5時間ほどの航海でサンゴ礁のパッセージから積み地の沖に到着しアンカー(錨)を降ろした。直ぐにシッパー(荷主)などが乗船し打ち合わせが始り、間もなくニッケル鉱を積んだ艀をタグボートが曳いて本船に接岸、直ちに荷役作業が始まった。
翌日よりメインレーダーとサブレーダーの2台のレーダー(写真)の点検をする事になった。本船の通信長は当社で最も技術的に素晴らしい通信長であると聞いてい... 続きを読む