IRIS


1か月以上も日本を離れたのは初めて、学生の頃、実習で乗船したのはマレーシアで20数日間、前夜は興奮してなかなか寝付けなかった。紀伊水道を通り大阪湾に入ると大小たくさんの船が行きかう、大阪港、神戸港の沖には沢山の船が停泊している、デッキに出ると風は肌寒いが瀬戸内海の島々、陸の景色を眺めていると飽きないネ、、、勿論今のような本四連絡橋なんて無い、昼過ぎに本船は宇野港の材木岸壁に着岸した、本船の前に転船で乗船する北米航路、総トン数9,627トンの錦陽丸が着岸している、同じファンネルマーク(写真)... 続きを読む

懐かしい日本の島影



アメリカのワシントン州のタコマを出港以来2週間、青空はほとんど見ていない、日本近海に来て初めて見る青空、右舷前方を見ると日本の島影が見えてきた。連日の時化でうんざりしたが日本の島影を見ると元気が出てきたね、、段々と島影がはっきりとしてきた、房総半島の野島崎灯台だ、ここからコースを変えて紀伊半島沖に向かう、伊豆諸島の島々が見えている、右舷に美しい富士山が見える(写真)、やっぱり日本一の山は素晴らしいネ、、、昼食を食べて通信長と当直を交代しワッチをしていると、昼食の終わった通信長が無線... 続きを読む

日付変更線通過、



外は相変わらず時化ている、暫く青空は見ていない、往航時、船酔いに悩まされたがだいぶ慣れてきた、食事も普通に食べれるようになったが、、当直は正午からなので午前中はベッドの中、11:30から昼食を食べて12:00から16:00までワッチ(当直)だ、夕食は16:30からだがチョット早いね、そして20:00から24:00まで又ワッチだ、夜中に当直が終わり入浴、それから一人か、たまにサードオフィサー(3等航海士)と一杯となるわけだ、大体1時半くらいまで、それからベッドの中で本を読んでいると知らないうちに寝てるネ、、今... 続きを読む

大時化の北太平洋



アメリカのタコマを出港して正月の間は緯度も比較的低い海域を航行していたが少しずつ北に上がり大時化状態が続いている、外は吹雪で霙のような雪が吹きつけている、デッキ(甲板)に積んだ材木の上が凍りウインチのワイヤーにつららが垂れて見ただけでも寒くなる、海にでも落ちれば5分と持たないだろう、、往航の空船時のように短い周期でゴロゴロ揺れないが今度は材木をデッキにも積んでいるために重心が高くなり揺れる周期はゆっくりだ、傾いたまま戻らなく同じ方向から大きな波でも来れば最悪、転覆もありうる、大きな... 続きを読む

洋上の正月



アメリカ、ワシントン州のタコマを出港して大晦日、夜の当直を終えて食堂に行くと年越しそばが用意してある、ふだんと全く変わらないが船上で新しい年を迎えた、日本では元旦の夕方だろう、正月になると司厨部は正月料理で大変だ、いつもは朝食は無しで寝ているんだがこの日ばかりは眠い目をこすりながら起きて食堂へ、サロン食堂でキャプテンの音頭で祝杯をあげた、テーブルには沢山の正月料理が並んでいる、1時間ほど通信長とワッチを変わり、その後部屋で又1時間ほど寝る、正月は当直の無い乗組員は正月休みだ、朝から酒... 続きを読む
 タコマ停泊中、荷役に使うデリックが落下する事故があり修理のため荷役が少し遅れ停泊も予定より伸びた、停泊中にお正月を迎えたのでは乗組員が正月ゆっくりできない、キャプテンから号令がかかり荷役を急ぎ何とか年末に出港できそうになった。停泊中に三回上陸してタコマの街まで行ってきた、別に用事が有るわけではないんだがお土産屋さんに入り日本では売っていないアルバムを買った。そしてハッチ(船倉)に... 続きを読む

初めてのアメリカ

本船はビルが立ち並ぶ大都市シアトルを過ぎるとまもなくワシントン州のタコマ(Tacoma)の港に着岸した。同じ埠頭には他社の日本船が1パイ荷役中だ、着岸すると代理店、税関など官憲が乗船し入港手続きが行われたが乗組員のビザなどは郵送してあり簡単に終了する。ここタコマは人口20万人くらいの都市だ、デッキに立つと12月と言うのに日本ほど寒くはない、遠くに日本の富士山に似た山が見える、荷役関係の人に下手な英語で尋ねると レイニア―山(Mt Rainier)と言う、1,500メーター位ですか? 尋ねると、... 続きを読む


アメリカ大陸に近づき、やっと時化もおさまった、でも相変わらずウネリがありゴロゴロと揺れるが大分船にも慣れた感じだな、、食事も美味しくなった、日本のドッグを出港して13日目、水平線上に島影が見えてきた、さっそくブリッジ(船橋)に行きチャート(海図)を覗くとアメリカ大陸だ、アメリカに来るのも見るのも初めて、学生の時に乗船実習でマレーシアに行ったのが初めての外国だ。サードオフィサー(3等航海士)が、次席さんはアメリカは初めてですか? と聞いてきた、左舷に見えるのがカナダのバンクーバー島、右舷... 続きを読む


連日の時化でうんざりするが今の時期、この航路の宿命だ、北緯50度アリューシャン列島の南側まで北上した、ポールド(窓)を覗くと外は吹雪のようだ、危険で外には出れないし寒くて凍え死ぬだろう。今朝早く本船は日付変更線を通過した。目が覚めて昼食にはちょっと早いしベッドで読書だ、往航は船内時間の調整で一日30分くらい時計を進めるので休む時間が減るわけさ、、その分帰りの航海は時間を遅らせるので一日が長くなるさ、アメリカ大陸に近づけば時化もおさまってくるだろう、そろそろ通信長と手分けをして入港書類の... 続きを読む

千島列島沖北上中



向島ドッグを出て東海沖、そして房総半島の先端、野島崎灯台を左舷に見てコースを北海道沖に取る、真っ直ぐに北米に向かわず、大圏コースでどんどん北上して千島列島沖、アリューシャン列島沖を通り今度はアメリカ、ワシントン州のタコマに向け南下する。本船は毎日ゴロゴロと揺れている、船酔いもだいぶ慣れたが依然として頭が重く食欲がない、まー冬の北米航路は連日時化と言うことは話には聞いていたがネベッドに横になっているのが一番楽だがそれじゃ慣れない、ブリッジに肩振りに出かけた、ワッチ中のサードオフィサー... 続きを読む