IRIS

青雲寮



油送船 ”鶴邦丸” に乗船するまで青雲寮(写真)でお世話になる事にした。寮と言えば名ばかりで、東京の高級地、高輪の泉岳寺の横に位置する場所にはおおよそ不似合いな築4~50年は経っているであろう、この辺は空襲に遭わなかったんだろうか、木造二階建ての一般の住宅を改造して寮に使っている。一階は8畳ほどの部屋がリビング兼食堂兼自習室だ、両側の押入れがカーテンで仕切られたベッド兼自室だね、プライバシーなんて気の利いたものは持ちあわせていない。二階はお客さん用、先輩用に使っている、ここで6名の学生が交代で食事を作り、朝6時の総員起し、甲板掃除(掃除)、国旗掲揚、から消灯まで規則正しい寮生活を送っている。ここの寮生活を送った経験のある学生はひと味ちがうのは言うまでもない、卒業後、国家試験に合格し船会社に就職する時に、寮にいた学生を指定して採用する会社があったのも事実だ。私は今は卒業した先輩だ、甲板掃除や食事当番は無いが決してだらしのない生活は出来ない、6時の総員起こしには起きて学生達と一緒に食事をする、朝食はアルマイト(金属)の食器に、ご飯とみそ汁、それにせいぜい生卵か焼き海苔くらいだ、このアルマイトの食器は味噌汁などが入っていると熱くて持つのが大変でコツがいる。毎朝食事当番の学生が寮長から食費を預かり買い出しから食事つくりまで担当する、少ない予算からなんとかやりくりをしなければいけない、寮の近くにある行きつけの八百屋の大将が、今日は何を作るんだい、これ余ったから持ってけや、、、とよくタダで頂いたもんだ、礼儀正しい寮生は近隣の商店街では評判が良かったネ。寮でのアルコールなんてもってのほか、それでも月に一回、誕生会と呼ばれる日がある、誕生会と言っても名ばかりで、いわゆる飲み会だ、この時ばかりはおおいに飲むが回り近所に迷惑をかけるのは厳禁だ。寮には風呂が無いので近くの銭とへ行くんだが、途中に某薬科大学の女子寮があり、ここの前を通るのが楽しみだったね、乗船までの2週間ほど青雲寮から学校までの生活が始まった、、、。

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