IRIS

♪ 故郷 ♪

 
 

作詞 : 高野辰之
作曲 : 岡野貞一        故郷
 
1  兎追ひし かの山
   小鮒(こぶな)釣りし かの川
   夢は今も めぐりて
   忘れがたき 故郷(ふるさと)

 

2  如何(いか)にいます 父母
   恙(つつが)なしや 友がき
   雨に風に つけても
   思ひ出(い)づる 故郷

3  志(こころざし)を はたして
   いつの日にか 帰らん
   山は靑き 故郷
   水は淸き 故郷

 

♪ 兎追ひし かの山 小鮒釣りし かの川、、、、、、 誰もが口ずさんだ事のある小学校唱歌 ”故郷” あまりにも有名なこの歌詞に出る かの山 とは長野県北部、北信五岳の一つ「斑尾山」付近の「熊坂山」、「大平山」と言われ、又 かの川 とは村の中を流れる「斑川」と言われている、同じ小学校唱歌の有名な「春の小川」もこの川であると言われている。この曲の作詞者は長野県の豊田村(現、中野市)出身の高野辰之である、この美しいであろう故郷を訪ねてみたくて故郷の新潟県在住時、斑尾山に登った帰りに旧豊田村に向かった。やはり想像していた通り、なだらかな山に囲まれ、棚田や畑が広がるのどかな山裾にあり今もなお静かな美しいところであった、、。

高野辰之は明治42年(1909)に文部省の小学校唱歌教科書編さん委員に委嘱され、この作詞委員として、「尋常小学唱歌」(全六冊)の作成に携わり、作曲者の岡野貞一とのコンビで今に残る名唱歌を世に出しました。これらの歌は文化庁実施の親子で歌いつごう日本の歌百選に5曲が選ばれ今なお人々に愛され歌い継がれています。

● 第一学年用 、、、 「日の丸の歌」
● 第二学年用 、、、 「紅葉、もみじ」
● 第三学年用 、、、 「春が来た」
● 第四学年用 、、、 「春の小川」
● 第六学年用 、、、 「故郷」 「朧月夜、おぼろつきよ」
高野辰之の歌からは、故郷を遠く離れて、なお断ちがたい懐旧の念を感じる事ができる、、。

文学博士 高野辰之(1876~1947)
明治9年(1876)長野県北部の永江村(現、中野市)の農家に生まれた辰之は豊かな自然の中、厳しい父のもとで農業の手伝いをするかたわら土蔵に隠れて本をむさぼり読むという向学心にあふれた少年であったと言われている。高等小学校を卒業後、母校の永田尋常小学校の代用教員を勤め3年後に長野県尋常師範学校(現信州大学教育学部)に入学、26歳の時、上田万年文学博士(円地文子の父)をたよって上京、博士のもとで国語、国文学の研究に没頭し、やがて「文部省国語教科書編さん委員」に選ばれて国文学者としての地を固めていった。国が初めて発行した国定音楽教科書「尋常小学唱歌」を編さんする一方、「春が来た」、「紅葉」、「朧月夜」、などの唱歌、又全国の多くの小学校、中学校、高校、その他の学校などの校歌などを作詞した。明治後期からは「日本歌謡史」「江戸文学史」「日本演劇史」を次々と書きあげ、これらは高野辰之の三大著作として近代の国文学に大きな功績を残しました。大正14年に東京帝国大学から文学博士の学位を、昭和3年には帝国学士院賞を授与されています。昭和22年(1947)野沢温泉村の別荘「対雲山荘」で永眠、享年71歳であった。
 

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