賃貸アパート・マンション等収益物件の最近の価格は家賃収入から決まるようになりました。
収益還元価格
あるアパートの年間の家賃収入は600万円です。このアパートの価値すなわち売却価格はいくらになるでしようか。
買手が利回り6%は欲しいと考えるとそのアパートは1億円です。1億円に対して600万円は利回り6%に相当するからです。利回り10%が欲しいなら年間家賃600万円での価格は6000万円になります。
最近は5%から10%程度が多く、老朽建物だと修繕費等を考慮し15%との声もききます。
このような価格決定の考え方を「収益還元価格」といいます。家賃収入と利回りをもとにして物件の価格を逆算して決めます。この考え方を突き詰めると、土地の坪単価や建物の建築費は何の意味ももたなくなります。どんなに高価な土地にどんなに素晴らしい建物であっても、家賃収入が600万円で利回り6%ならば、価格は1億円になってしまうのですから。
ある地主さんが1億円の更地を所有していました。相続税対策としてその土地に建築費5千万円のアパートを全額借金で建築しました。家賃収入は年間600万円です。
アパートを建築することによって相続税は大きく減ります。土地の評価額は「貸家建付地」とされ更地より約2割低くなり、建物の評価額は実際の建築費よりずっと低くなり、借金は債務として全額控除できます。
Madredeus - O Pastor
相続税は少なくて済みましたが、相応の相続税は生じました。そのために、やむを得ずこのアパートを売りに出しました。いくらで売れるでしょうか。
家賃が600万円で利回りが6%ならこのアパートの土地建物の売却可能価格は1億円です。建築費の借金が5千万円残っていますから、その借金返済後の手取り金額はわずか5千万円。「こんなことなら相続税対策なんかやらなきゃよかった !!」
土地1億円+建物5千万円=1億5千万円…とはならないのです。原価がたとえ1億5千万円であっても、家賃が600万円なら1億円です。
更地ならばその土地の更地相場の1億円で売れるでしょう。しかしその1億円の更地に建築費5千万円をつぎ込んだにもかかわらず、やはり1億円なのです。借金を返済するとわずか5千万円。アパート建築をしたばかりに5千万円損したのです。(この逆のこともありますが。)
何とも不思議ですが、これが最近の収益物件の価格です。
アパート建築により相続税評価額だけが下がってくれればよかったのだが、財産の価値までもが下がってしまった・・ということになったのです。
相続税対策を原因として、借金過大又は相続税納税不可となり、破産に追い込まれる地主さんが目立ちます。やたらに建物の建築をしてはいけません。将来的に売却・物納の可能性が高い土地に建築等を始めることは悲劇の幕開けです。これらの土地に対しても、「定期借地なら物納できるから大丈夫」「アパートでも立ち退きするから心配ない」「等価交換なら・・」「特優賃なら・・」等様々な営業と説得がなされます。
そうかもしれません。しかし一番安心なのは更地のままです。
もっとも売却・物納の可能性がまったくない土地ならばこの心配は不要になりますが。
アパート建築費5000万円
+
土地 1億円
=
原価合計1億5000万円
↓
売却価格(価値) 1億円
年間家賃600万円
利回り6%ならば…
(株式会社バード財産コンサルタンツ)









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