1日付けの日経MJ(流通新聞)に、「ネット通販で普段の食品」
というタイトルの記事が掲載されている。1面だから、非常に大き
な扱いだ。
記事は「インターネット通販大手の楽天やアマゾンジャパンが生
鮮や加工商品など普段づかいの食品のネット販売に本格参入する」
と解説している。
「普段づかいの食品」という表現から、それらが従来は、ネット
販売に適してないと考えられていた商品だという言外の意味を汲み
取ることができる。

背景として、「ネット通販各社が普段づかいの商品の取り込みに進出するのは、市場拡大の勢いが陰りつつあり、新しい客を必要としているからだ」そうだ。
既に「ネットスーパー」はいくつも誕生しており、記事によれば「大手スーパーが相次ぎネットスーパー事業を強化している」「ヨーカ堂のネットスーパーは絶好調」といった言葉がみられる。
「どこのスーパーでも買えるようなもの」が、ネットで売られるようになっている。配送が迅速であることや、配送料の安さといった点が、差別化ポイントにもなる。アマゾンの場合、書籍と同様「1500円から送料無料」というのが、大きな強みだ。
ネットで買う商品、リアル店舗で買う商品、といった「すみ分け」は、もうなくなってしまうようだ。「靴」のように試着が不可欠と思われるような商品でも、返品時も含め、送料無料といったサービスが登場し、ネットでの購入がしやすくなっている。
一見、強力な競合が存在しても、「すみ分け」により共存しているケースは、しばしばみられる。しかしそれは、あくまでも一定の時点でそうなっているわけで、未来永劫そのままだという保証はない。
特に一方が、成長拡大に貪欲な場合、その「すみ分け」は必ず崩される運命にある。現時点で「すみ分け」ているからといって、決して安心してはいけないのだ。
逆に、攻める立場にあるのなら、「すみ分け」説に束縛される必要もない。今回の記事は、「普段づかい消費の獲得は一段の成長を目指すには不可欠だ」としている。
「守り」と「攻め」のどちらの視点から見ても、「すみ分け」は一時的な紳士協定に過ぎず、ある意味、幻想だ。そのくらいに思っていて、ちょうどよいだろう。森英樹





