[NEWS] 2012年までのインターネット広告市場を予測する

今回は、2007年-2012年までの市場予測について報告する。

 シード・プランニングでは、2012年までのインターネット広告市場の予測を行った。インターネット広告の定義として「アフィリエイト広告」を含め、「不動産広告」、「求人広告」を除外した。電通「日本の広告」による2006年のインターネット広告市場3630億円をベースに、「アフィリエイト広告」を含めた2006年の「インターネット広告市場」を3930億円と推定した。

 まずは2007年についてであるが、以下の要因をふまえて市場予測を行った。

プラス要因企業業績は引き続き堅調であり、広告費全体は2006年対比で横ばいから微増での推移に
他媒体からインターネット広告への流入は継続しており、雑誌・新聞媒体などに使われていた広告費を、インターネット広告へ振り替る流れは今後も継続すると予想される
2006年インターネット利用企業の半数は2007年もインターネット広告費支出拡大
 シード・プランニングによる広告主アンケートの結果、2006年にインターネット広告を利用した広告主48社中24社が2007年もインターネット広告費を増やすと回答しており、引き続き、インターネット広告利用企業の出稿意欲は旺盛である。

中立・マイナス要因金融業の広告出稿抑制が継続
人材、情報通信など主要業種における広告出稿増加トレンドが終了
ナショナルクライアントの出稿の拡大基調が一段落
新たにインターネット広告を利用する企業の拡大では業種の拡大に一服感あり
 シード・プランニングによる広告主アンケートの結果、2006年にインターネット広告を利用しなかった企業のうち2007年の利用意向があったのは、約9%(22社中2社)にとどまった。引き続き新たにインターネットを利用する広告主はあるものの、以前と比較するとわずかな拡大にとどまることが予想される。

 以上のような要因を勘案し、シード・プランニングでは、2007年のインターネット広告市場規模(アフィリエイト広告を含む)は、約4580億円、前年比116.5%と推定した。

次に、5年後の2012年までのインターネット広告市場予測を行なった。予測要因としては以下のものである。

成長要因ブロードバンド契約数が今後も引き続き5-10%程度の増率で増加し、インターネット利用時間がさらに拡大する。それに伴い、企業にとってのインターネット媒体に対する魅力がより高まり、中・長期的に、他媒体向け広告費からインターネット広告への振替が引き続き進行する。
モバイル向け広告の市場が今後急拡大し、2012年にはインターネット広告費の15~20%を占める規模まで成長する。
FTTHの普及によりブロードバンド環境が向上し、インターネットを通した動画視聴がより普及する。動画サービス市場の拡大に牽引され、インターネットCMの市場が拡大する。
2008年北京オリンピック、2010年のワールドカップ、バンクーバー冬季オリンピック開催により、公式スポンサーを中心に広告出稿が拡大。総広告費が堅調な状況において、クロスメディア手法によるTVを中心とした他媒体と、インターネット広告の利用が更に促進される。公式スポンサーはそのほとんどがナショナルクライアントであり、これを機にナショナルクライアント向けのインターネット広告によるプロモーション手法が確立され、ナショナルクライアントのインターネット広告利用がより促進される。
中立・マイナス要因企業の総広告費は、今後も6兆円前後で推移し、全体の増減は限定的である。2008年、2010年のオリンピック、ワールドカップなどの変動要因はあるものの、全体的なトレンドとしては、総広告費は過去5年間と同様の変動枠にとどまることが想定される。
従来のインターネット広告出稿主業種の広告主の出稿増が頭打ちになる。これまでのインターネット広告の成長の原動となった、金融業、人材業、情報通信業、ECサイトを運営する企業などのインターネット広告出稿が、徐々に頭打ちとなっていくことが想定される。
モバイル向けとPC向けインターネット広告のカニバリが起こり、インターネット広告市場でのプラス効果が相対的に抑制される。
 以上の要因を踏まえて、シード・プランニングでは、インターネット広告市場は、2007年以降5年間は、年間600億から900億円増(年率で最高+20%程度まで)の範囲内で、右肩上がりの持続的成長を続けるとの推定に基づき、2012年までの予測数値を算出した。5年後の2012年には約8170億円になることが予測される。(シード・プランニング担当:野下智之)