
一部始終を絵恋から聞かされた私は、従兄妹の友人に謝罪の連絡を入れた。久智子はともかく麻理の心情が心配なので、友人に麻理のことを頼んだ。友人の話では、飛坂家では久智子の非常識な行動に困りはて、飛坂と母が親族中から叱責されたようだ。飛坂の母が久智子に「麻理はただ一人の孫なので、親族席に座るのは良いが、久智子さんは親族席に座るのは遠慮して欲しい」と言ったようだ。通夜を終え帰宅した久智子宅を訪ねた。祖父の死でショックを受け、食欲がないという麻理に、栄養バーとドリンク剤を差し入れにいった私に・・・久智子は母親から「親族席に座るな!」と言われたと憤慨していた。絵恋も同じことを言ったと、怒って私に聞かせた。私は絵恋と同じ考えであることを伝え、こう言った。「飛坂さんは再婚もしているし、麻理ちゃんは参列しても、それぞれの立場も考え葬儀への参列は遠慮した方がいいよ。」と伝えると久智子は「私のことは私が決めるから!口出しせんといて!」と逆切れした。とにかく、久智子には常識は通じないようだ。絵恋と私の心配をよそに、久智子は葬儀に参列、おまけに斎場にまで行った。友人の話だと骨上げまで親族に混ざって参加したようだ。舅の葬儀に前妻と後妻が顔を合わせて、骨上げするとは、ドラマでもそうそうない話である。飛坂の妻は憤慨して、飛坂に「久智子をなんとかしてよ!」と喧嘩の一幕もあったようだ。当然、そんな原因になっている久智子に対する飛坂家の親族の目は冷たい。怒りさえ覚えただろう。今回のことがなければ、久智子は飛坂が女をつくり、麻理をかかえ離婚した可哀想な前妻として、飛坂家の親族も優しく見守ってくれただろうに、麻理に対する親族の目も厳しいものとなったようである。しかし、久智子は勝子にこう言った。「今まで優しかった姑や親族が、私に冷たくなったのは、芽衣子!が私の悪口を従兄妹に言っているに違いない!」と・・・久智子の怒りのほこ先は私に向かった。それを聞き鵜呑みにした勝子は、絵恋にその話を聞かせた。久智子と勝子の二人に誤解されていることを知り、絵恋は心配して私に連絡してきたのである。
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