ある日、絵恋と私が付き添いをすることになっていた。絵恋から連絡があり「芽衣子さんごめんね!子供が熱を出して、行けそうにないんだけど・・・一人で大丈夫?」~「そう?大丈夫だと思う。何かあったら連絡するね!」と電話を切った。しかし、すぐに担当医がきてこう言った。「状態が悪いです!今夜が山ですね?覚悟しておくように!」と言われ、私は不安になった。それからすぐに、俊彦が仕事帰りに病室に入ってきた。私は医師の話を伝えた。「今日は一人で不安だし、もしものことがあったら・・お母さんも嫁の私より、子供にいて欲しいと思うから?俊彦さん、明日は会社に事情を言って休んでくれる。今晩は病院に一諸に泊まってくれない?」と頼んだ。その途端に俊彦は「あぁ!泊まったるわ!泊まったらいいんやろ!一週間でも、二週間でも泊まったるわ! そのかわり!給料ないからな!!」と激怒した。私は一瞬なにが起こっているのか理解できなかった。我に返った私は俊彦の言葉にショクを受けた。私は俊彦に怒鳴られるようなことを、言っただろうか?窪塚家に嫁いで、傷ついた事も、悔しい事も、沢山あったが、俊彦にも口答えしたことも無く、俊彦の前で泣いたことすらなかった私であった。しかし、私の目から涙が溢れ出て止まらなかった。私はあまりのショクに言葉も出なかった。・・20年近く私はこんな人の為に、何を耐えてきたのだろうか?俊彦には母親にさえ情がないのだろうか?血の繋がりのある母親の危篤の時でさえ、こうなら、他人の私の最後の時は、この人はどうするのだろうか?・・今までの俊彦への不信感にも蓋をしてきたが、俊彦を受け止めていた私の器は粉々に壊れてしまった。私はあまりの悲しさに涙が嗚咽に変わり、妙子の枕元で感情を抑えることができなくなった。私は病室から飛び出した。
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