ビッキーは、シビル・イザベル・ドーセットの障害に起ったことを、シビル自身がそこにいたかいないかにかかわりなく、知っていた。逆説的に、この世に住んでいたシビルにとっては時間が非連続的であったが、存在の奥深いところにいたビッキーにとっては、それは連続的だった。シビルにとっては気まぐれでしばしばブランクだった時間が、ビッキーにとっては恒常的だった。全部の回想をもっていたビッキーは、シビル・ドーセットのばらばらな内面世界における記憶記録装置の役割を果たしていた。
2008-09-21