2008-04-18

[東北] 多重人格・シビルの記録より

「おぼえていないのね」とドクターはやさしくきいた。シビルは頭を左右に振った。その恥ずかしさ。そのおそろしさ。とうとう、ドクターは例のおそるべき、名状しがたいもののことを知ったのだ。「前にもガラスを割ったことがあるの?」とドクターはしずかにきいた。「ええ」シビルはうなだれながら答えた。「こんどのことは前に経験したのと同じなのね?」「まったく同じですわ」「こわがることはないわ」とドクターは言った。