シビルはジッパーホルダーをつかんで汽車を降り、いそいでタクシーに乗って、ようやくフィラデルフィアで起ったことにつきまとっていた不安と強烈な悔恨から解放されるのを感じた。タクシーがモーニングサイドドライブにさしかかり、1955年の9月に彼女がテデイリーブズといっしょに二階の部屋を借りた褐色砂岩の建物に近づくころには、彼女は−忘れることにしようという気持ちによって、平静を取り戻して−心が安らぎなごむのを感じた。
2008-03-30