それも効果がなかった。事実、慰められるどころか、シビルが、「だれ一人として、そんなことをした人のことをきいたことがありませんわ」と反論したとき、ドクターハ、ずいぶん遅らせたつもりだったが、シビルに別の自我のことを強引に知らせたのはあまりにも軽率なやり方だったのではなかったかと疑いはじめたほどであった。「セコナルをあげましょう」とどくたーが前の晩くれたセコナルによって、不安から解放されて芽をさました。複数の自我は消えてしまった悪夢のように思われた。
2008-07-15