2008-07-12

[東北] 多重人格・シビルの記録より

シビルがついに、ドクターに対して失われた時間のことを是認したとき、それは自分自身に向かっての是認でもあった。それまでは、現在から、何分後か、何日後か、何年後かはっきりしないある別の時へとしじゅう移転しながらも、官女は一度もその〝失われた時間〟の概念をはっきりと口にしたことはなかった。そのかわりに、彼女は湾曲に〝ブランクの時間〟という言い回しをもちいていた。