2008-10-13

[東北] 多重人格・シビルの記録より

「あなたは他の何人かは同じお母さんをもっていると話してくれたわ。ということは、その人たちは一人のお母さんを共有しているということかしら?」「ええ、そう言ってもいいかもしれませんわ」「同じからだを共有していることにもなるのかしら?」「そんなバカなこと」とビッキーはきっぱりと答えた。「みんなにんげんですのよ。みんなのことを話してあげましょうか」

2008-10-12

[東北] 多重人格・シビルの記録より

ビッキーとシビル、メアリとシビル、ペギー・ルーとシビルーその関連はいったいなにか?ウイルバー博士は、だれのことでもなんでも知っているビッキーにきいてみることにた。その日は1955年尾6月15日で、分析がはじまってあら9ヶ月たっていた。ドクターと患者は寝椅子に腰を下ろしていた。「ビッキー」とドクターが言った、「あることを知りたいんだけど。あなたはシビルと関係があるの?」

2008-10-11

[東北] 多重人格・シビルの記録より

こどもたちはしょっちゅう親に5銭と白銅貨や10せんと銀貨をねだったが、シビルはなにもほしがらなかった。ハッチーがきいた、「今夜は何にする?ポプコーン?それともアイスキャンデイ?」シビルは答えた、「そうね、どっちでもいいわ」この言い方は、特徴的ではあるが、シビルに好き嫌いがないことを示すものではなかった。ちょうど、彼女が思い切って時間についての自分の秘密をだれにも話せなかったように、だれにもどんなものも思い切って要求する事をしなかったのである。

2008-10-10

[東北] 多重人格・シビルの記録より

ある日、シビルは学校から帰るといそいで家に駆けこみ、彼女の母親に心臓の働きについて話そうとした。気候ともしないでハッチーは言った、「そんなことききたくないよ」。しかし、シビルはそのことにすっかり夢中になっていたので、なおも習ってきたことを説明しつづけた。

2008-10-09

[東北] 多重人格・シビルの記録より

シビルは、彼女の父親の安易な楽観主義にもかかわらず、自分は〝精神の病〟にかかっているのだと思いこんでいた。それは、ドーセット家やウイロー・コーナーズの町では不名誉なことと考えられている病気だった。事実、彼女の叔父ロジャーが購買係として、また彼女の叔母のハッチーが看護婦として働いていた州立病院をめぐって新たな恐怖がまき起った。シビルはしばしばその病院に叔父と叔母を訪ねていたのである。

2008-10-08

[東北] 多重人格・シビルの記録より

なによりも一番苦しかったことは、生活が非現実的なかっこうで漂い、妙な胸騒ぎで満たされることだった。シビルはよく、自分が夢でも見ているようにどこかにいたりなにかしたりしていたのを思い出した。自分自身のそばを自分で歩いたり、自分が自分を見ているような感じがした。そして、夢と、こうした夢のような非現実とのちがいがはっきりしないことが何度もあった。

2008-10-07

[東北] 多重人格・シビルの記録より

ヒステリーは、随意筋や特殊感覚器官に生ずる劇的な肉体的症状によって古くから明らかにされているのもである。転換がおこなわれているあいだ、無意識の衝動が肉体的症状に転移されるのである。意識されることなしに、情動上の加藤がこうして肉体的に表現されるのである。

2008-10-06

[東北] 多重人格・シビルの記録より

春は彼女の祖母のことがあっていやだった。夏が近づきつつあったが、夏はダニーのことがあっていやだった。正面階段に腰かけたり、ブランコにのったりして、シビルはよく、ダニーの出発につながる夏のことを思い出したものだった。

2008-10-05

[東北] 多重人格・シビルの記録より

詩に興味を抱いていたメアリは、大げさな表現で、シビルにとっては偉大なる世界精神がときどき活動を停止し、そういうときはシビルにとっては生き生きとした森も、青々とした牧草地帯もなく、忘れ去られた不毛の荒地しかないのだ、とビッキーに訴えた。「シビルはそれを無と呼んでいるの。そんなの、私たちにとってはあまりうれしくないわ!」

2008-10-04

[東北] 多重人格・シビルの記録より

メアリはいぜんとして6年生のあいだときどき現れたが、ほとんどの時間そこにいたのはビッキーだった。6年が終わるころのある日、学校へ行く途中、シビルがやって来た。彼女は、自分を、幻想のなかのビクトリアがそこへつれて来たように感じた。しかし、今度の復帰には、5年への復帰ほどのおどろきはなかった。シビルはやはり、時間を〝おかしい〟と考えたが、こんどは前とくらべるといくらか気が楽だった。