ムツゴロウ王国なんて、商業主義的でどうも鼻についていたんだが、やはり、戦中世代の日本男子だけのことはある。 先日ぶっとぶ新聞記事が出ていた。このムツゴロウ氏、ライオンと戯れていて、右手中指を真中から食いちぎられたという。しかしすぐ、自分で応急処置を行い、「こんなの傷の内に入らない」と、平然と撮影を続けたそうである。しかも、あくまでも動物のせいではないと笑い飛ばす豪快さ。 いや、おみそれいたしました。しかし、動物好きも極まっている。 ここらあたり、実はちょっと心理が理解しかねる。我が友人の怪人百面倒氏によると、次のようなご意見である。 (怪人百面倒氏談) しかし、ムツゴロウさん凄いね(知らなかったけど)。 でも大概にしとかないと、今に命を落とす ことになりかねない。 動物、特に猛獣は飼い主や飼育係や調教師を一度舐めると、もう2度と言うことを聞かなくなる どころか、人命にかかわる悲劇につながる場合も多々あるという。 今回はムツゴロウさんが狼狽しなかったのが幸いし、それ以上のエスカレートを防げたものと思われる。 「野生のエルザ」の結末の二の舞にならないためにも、彼の今後の自重が望まれる。 そういえば、ムツゴロウ氏が後でライオン小屋に尋ねたとき、当のライオンは済まなそうに目を伏せていたそうである。ムツゴロウ氏が狼狽しなかった事が、ライオンに反省の気持ちを起こさせたのだろう。けっして舐められてはいないようだ。 ところで、「野生のエルザ」って、どんなストーリーだっけ。 さらに、この点を怪人百面倒氏に尋ねて、お答えをいただいたので、最後にここに紹介しておくことにします。 (怪人百面倒氏談) 「エルザ」はメスのライオン。ケニアの草原で生まれて二、三日目に、狩猟監督官の英国人ジョ ージ・アダムソンに保護された。一九五六年のこと。 夫人のジョイがエルザを育て、エルザは人間になつき、やがて成獣になる。「野生のエルザ」 は、アフリカの大自然の中でのエルザの成長の記録である。 続編「永遠のエルザ」もたちまちベストセラーに。その後も「わたしのエルザ」「エルザわが愛」 と続き、映画もヒットしてエルザ・ブームがまきおこった。 夫妻はわが子同然に育てたエルザを自然に返そうとする。狩りの仕方を教え、野生のオスとの 出合いの機会をつくる。そしてある日、エルザは、夫妻の呼ぶ声に耳をかさずにオスのもとに駆 けだす。 とまあ・・何とも麗しい人間と動物の愛の実録小説ではある。 しかし、これには現実の悲劇の後日談がある。 エルザの育ての親であるジョイはその後、エルザと同様に他のライオンとの交流を図っていたが、 戯れている最中(だったと思う)、何かの弾みで一瞬野生化したライオンに食い殺されるという 悲劇的最期で人生を終えているのだ。 猛獣は恐いのである。なんまんだぶ、なんまんだぶ・・・。